「秋深き 隣は何を する人ぞ」
「この道や 行く人なしに 秋の暮」
いずれもの俳句ですが、何とはなしに寂寥感を覚える俳句ですよね。
実際「秋深き~ を詠んだ二週間後、それまで体調を崩していた芭蕉は、
元禄7年10月12日、死んでしまいます。
その時までの日々、芭蕉は何を感じていたのでしょうか。
死の予感があったに違いありません。
死の予感… 死に近い人はよく昔の事を思い浮かべると言います。
あんな嬉しいことがあった、こんな悲しかったことがあった…
鮮明に脳裏をかすめて行くというのですねえ。
ヤバイッ! 今の私の状態ではないですか!
数年前から、無性に昔の事ばかりを思い出しています。
未来の事など、チットモ考えもしないようになっています。
しかしこれではダメだなんてことは思いません。
こうして何時かしら、死んでいく事になるに違いありません。
若い頃はああして、こうして… と夢を追い続けました。
そんな道のりが、今の想い出を作り上げてきたのです。
今日も抜けるような秋空、目を閉じ、深く深呼吸し、
想い出の一日を過ごそうと思っています。
「旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる」